感情よりも先に

2015年2月8日
遺影を前にすると涙が溢れてきた
悲しいとは別の、何かだった
不思議な涙だった

この涙は、決してフリの涙ではなかった
内側からの何かだった

非常階段のそばで、誰にも気づかれないように泣いた
号泣だった

ひとしきり泣いたあとはスッキリして
葬儀の間にも関わらず
誰よりも早く、元気を取り戻してからは
悲しんでいるフリをしていた

このフリこそが、故人に対して失礼なことだと
感じていたのに、また、フリをしてしまった

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